歯科ドックとは
歯科ドックでわかること
痛みなどの違和感はないけれども、歯や口をしっかり診てもらって、安心したい。身体については人間ドックを定期的に受けているが、歯科でも定期的に診てもらって、悪くなる前に対処しておきたい。
このようなご希望にお答えするのが「歯科ドック」です。
歯を失う大きな原因であるむし歯や歯周病だけでなく、顎関節症、口腔がんを始めとする口腔粘膜疾患、そして口腔機能などについて、トータルに健診を行い、早期発見を行うだけでなく、そのリスク診断も含めて行います。
実施する検査内容としては、視診、エックス線診断、歯周ポケット検査、唾液検査、顎関節触診、咬合検査、舌圧検査、結果説明となります。
歯科ドックは、後日、結果説明を行うため全2回となります。結果説明の際は、ご来院いただくかオンラインどちらかを選択いただけます。
(保険外診療、44,000円)
歯科ドックをすることで
どんな効果があるの?
痛くなる前、症状が出る前に、病気を早期診断することができ、食べること・話すこと・審美面のトラブルを事前に回避することができます。
歯科に関するトラブルは、一部のものを除き、その前兆をある程度予測することができます。
人前に出てスピーチしないといけないのに突然歯が欠けた、海外旅行先で歯が突然痛くなった等々なぜかトラブルは間が悪い時に起こってしまいがちです。定期的に健診を受けることによって、このようなトラブルをかなりの割合で避けることができます。
また最近は、口腔がんも増えてきており、命にかかわる病気でもあるため早期発見が極めて大切です。
歯科ドックを
おすすめしたい方
現在は特に痛みなどの違和感を感じられておらず、これからも不安なく、おいしく食べる生活を長く続けていきたいと思われている全ての方にお勧めします。
料金と期間について
-
治療期間目安
2日
-
治療回数目安
2回
-
相談・検査・診断・治療までの
標準料金44,000円(税込)
費用内訳
歯科ドック
視診 | |
---|---|
エックス線診断 | |
歯周ポケット検査 | |
唾液検査 | |
顎関節触診 | |
咬合検査 | |
舌圧検査 | |
結果説明 | |
合計 |
※個別検査は実施していない検査項目のため、 |
オプション
細菌検査 | 8,800円 |
---|---|
細胞診 | 5,500円 |
口臭検査 | 7,700円 |
リスク・副作用について
- ・エックス線検査は、放射線の被ばくを伴うので、将来的に発がんの増加の可能性(リスク)があります。この検査は、管理された医療被ばくであり、それぞれの検査における被ばく線量を小さくする(最適化)努力を行っています。生殖腺に関しても、歯のX線撮影をする場合には、局所的に治療する歯を対象としておりますので、X線は直接生殖腺には届きませんし、散乱線として極微量です。もし、患者さんが妊娠していたとしても、実際には胎児に影響が及ぶことはないと考えられます。
- ・歯周ポケット検査では歯肉が腫れていた場合、出血することがありますが、出血の有無を調べることも検査の重要な指標となりますので、予めご了承ください。
- ・細胞診を行う際に、病変部を歯間ブラシで擦過しますが、その際に痛みが出たり、出血することがあります。
- ・検査に用いる道具によってごくまれにアレルギーを発症する可能性がありますが、緊急時に対応するための準備を整えております。
歯科ドックの流れ
01視診・口腔内写真撮影
歯科医師による診察に加えて、口腔内写真撮影専用の一眼レフカメラを用いて口腔内規格撮影を実施します。
正面や側方面観など、全部で13枚を撮影します。
02エックス線診断
X線パノラマ断層撮影と、X線デンタル10枚法撮影、X線デンタル咬翼法撮影を行います。
う蝕(むし歯)や歯周病の診断に加えて、顎骨内の病変や顎関節の状態などを調べることができます。
03歯周ポケット検査
歯周病に罹患すると、歯と歯を支えている骨(歯槽骨)との間に、隙間(ポケット)ができてしまいます。このポケットが深くなるほど、歯周病が進行していると言えます。
歯周ポケット検査では、この歯周ポケットの深さを専用のメモリが付いた探針で測定します。またその際の出血の有無や歯の動揺度なども併せて検査します。
04唾液検査
5分間、無味無臭のガムを噛んでいただき、唾液を採取し唾液の量をメスシリンダーで計測、質(緩衝能)をテストストリップスで判定します。その後、唾液を専用の容器で培養し、う蝕(むし歯)を発生させる細菌と、う蝕(むし歯)を進行させる細菌の有無と量を測定します。
05細菌検査(オプション)
口腔内やポケット内に生息している細菌や真菌を採取し、培養することでその種類を特定します。特に体の免疫機能が落ちていると、カンジダと呼ばれる真菌が多く繁殖し、味覚異常などを引き起こしてしまうことがあります。
06細胞診(オプション)
口腔内の粘膜に白色病変などが認められた場合などには、その部分の細胞を採取し、顕微鏡で確認することで悪性の可能性を調べます。採取にあたっては、歯間ブラシを使用して擦過するだけで粘膜を傷つけることなく検査することが可能です。
07顎関節診査
顎関節症は、若い女性の10~20%が症状を有していると言われている病気です。初期には、開閉口時にカックン・コッキンといった音(関節雑音)が聞こえますが、症状が進むと、ジャリジャリ音がしたり、開口障害が引き起こされてしまうこともあります。視診・触診と、X線顎関節側面パ ノラマ4分割撮影法などで検査を行います。
08咬合検査
噛み合わせの状態を視覚的に確認し、併せて咬合力の測定も行うことが可能なデンタルプレスケールⅡを使用し、検査を実施します。歯が揃っていても、しっかりと噛めていないと咀嚼できず丸呑みになってしまうため、客観的な咬合検査は非常に重要です。
09舌圧検査
食べ物をしっかり咀嚼して飲み込む際に重要となるのは、舌の働きです。この中でも特に、舌のチカラ(舌圧)を調べることで特に飲み込みをしっかり行うことができているかを検査することができます。プラスチック製のストローの先に、ゴム製の小さな風船がついており、この風船を舌で押しつぶすことで舌圧を測定します。
歯科ドックの実施風景
歯科ドックは実施する項目数が多いため、担当の歯科医師・歯科衛生士がしっかりと時間をお取りして実施します。
また、唾液検査や細菌検査については検査前に行ってはいけないこと(検査前数時間以内の歯みがき)などの注意点があります。実施日が決まった時点で、説明をさせていただきます。
なお歯科ドックは全て保険外診療となります。検査の結果、治療が必要と判断された場合は、別日に予約をお取りして治療を始めていくことになります(検査当日は、治療できません)。また検査結果によっては、高次医療機関への紹介が必要になることもあることを、ご了承ください。