「おいしく食べる」実感ラボ

「おいしく食べる」実感ラボ

"Enjoyable Delicious Eating" Experience Lab.

「おいしく食べる」
実感ラボとは?

「おいしく食べる」実感ラボに込めた想い

「おいしく食べる」
実感ラボに込めた想い

一日3度の食事をおいしく食べる。
残念ながら、この当たり前の日常が叶わなくなってしまっている方を、特に訪問診療の現場で毎日のように拝見しています。
むし歯や歯周病で、歯がぼろぼろ。
歯が悪くて軟らかいものばかり食べているため、噛む筋力が衰えてしまった。
脳卒中の後遺症で、口やのどが麻痺してしまい、うまく飲み込めない。
わたしたちは、「おいしく食べる」ことの大切さを、もっと知っていただきたいと、切に願っています。そんな想いから、クリニックの待合室にキッチンスタジオ「『おいしく食べる』実感ラボ」を作りました。
ここでは毎日のように、料理が大好きな管理栄養士が試食メニューの調理を行い、お越しになった患者様とお話ししたり食べたりしながら、「おいしく食べる」を実践するために必要なことを、一緒に考えていきます。

実感ラボで伝えられること

実感ラボで伝えられること

「おいしく食べる」ことは人生を
豊かにする

食べることは、栄養摂取という人間の生命を支える大切な営みですが、決してそれだけではありません。 おいしい料理に舌鼓を打つことは、この上なく幸せなことで、大切な人と食事を共にして語り合うという、人生を豊かにするために必要不可欠な時間でもあります。
お食い初め、端午の節句の柏餅、誕生日パーティー、結婚式の祝宴、還暦の食事会など、お祝い事はいつも、食事と共にあります。そして毎日の他愛もない当たり前の食卓も、家族団らんの中心となっています。
私たちは、「おいしく食べる」を支える医療従事者として、その実践を常に考えてきました。その形として、クリニックの最も大切な場所に、キッチンスタジオ「『おいしく食べる』実感ラボ」を作ることに決定しました。

「おいしく食べる」実感ラボで
あなたに届けたいこと

「おいしく食べる」実感ラボで知ってもらえること

「おいしく食べる」実感ラボで
気づいていただけること

実はあまり知られていませんが、歯や口腔内が病気になると、味覚が損なわれ、おいしく食事を摂ることが出来なくなります。
例えば、むし歯や歯周病は、歯や歯ぐきに炎症や感染を引き起こします。この部分に食べ物などが触れたり、歯ぐきに圧力がかかったりすると、痛みを感じることがあります。また、むし歯や歯周病そのものによっても、痛みなどの不快症状が引き起こされ、食事が制限されてしまいます。
歯ぐきから出血したり、膿が溜まっていると、血液の味や臭い、苦い膿の味が常に口の中に充満します。この苦さは、何とも言えない非常に不快なもので、食事をおいしく感じられなくなり、食欲低下の大きな原因となってしまいます。
このように、歯や口腔内の健康は「おいしく食べる」に直結しています。
しかし、みなさんが歯科診療を受ける際、その治療が「おいしく食べる」に繋がっているとは、あまり考えられてはいないのではないでしょうか。そのため当院では、クリニックの中央にである待合室に、キッチンスタジオ「『おいしく食べる』実感ラボ」を設置し、“歯科治療が「おいしく食べる」に繋がっている”ということを、常日頃から思い起こして頂く取り組みを行っています。

「おいしく食べる」実感ラボでは体験と学びを得ることができます

「おいしく食べる」実感ラボでは体験と学びを得ることができます

「おいしく食べる」実感ラボでは、管理栄養士による調理デモンストレーションや、医師からの指示のもとに行われる個別の栄養調理指導だけでなく、地域住民の皆さんを対象とした健康料理教室なども開催しています。
管理栄養士による栄養指導と聞くと、どうしても「減塩」や「食事制限」などといったマイナスのイメージを持たれる方も多くいらっしゃるかもしれません。しかし、当院の「おいしく食べる」実感ラボでは、このような「制限」と思われるようなことは極力避け、名前の通り「おいしく食べる」を合言葉に、豊かな香りと共に幸せな時間を提供しています。

「おいしく食べる」を病院で体験できる

「おいしく食べる」をクリニックで体験できる

当院の管理栄養士は、パン職人でもあります。週1回、おいしいパンが焼き上がり、試食として振る舞われます。歯科衛生士によるメンテナンスを受けて頂いた直後の、ツルツルピカピカの清潔な歯で食べるパンは、今まで味わったことがない、格別な味のはずです。

「おいしく食べる」を学べる

「おいしく食べる」を学べる

「おいしく食べる」実感ラボは、医師による指示に基づいた栄養調理指導を行う場所でもあります。特に最近は、低栄養・フレイル予防(心身の機能が低下しないよう食事や生活習慣の見直し)のための高タンパク・高カロリー食や、飲み込みの困難さ(嚥下障害)に対応した嚥下調整食の調理指導を行うことが多くあります。それ以外にも、ご希望に応じて「おいしく食べる」を学ぶお手伝いを行っています。

「おいしく食べる」を伝えていく

「おいしく食べる」を伝えていく

「おいしく食べる」実感ラボでは、地域の住民のみなさんを対象に、健康料理教室を開催しています。特に、福山市が重点的な取り組みとして行っているフレイル予防(心身の機能が低下しないよう食事や生活習慣の見直し)を、クリニックでも実践しています。
また、福山地域で活動しているヘルパーさんや、訪問看護師、管理栄養士を対象とした勉強会も、これまで50回以上開催してきました。地域における健康づくりの拠点として、「おいしく食べる」を起点に活動を進めています。

実感ラボにおける取り組み

「おいしく食べる」体験例

「おいしく食べる」実感ラボでは、試食会の実施や、地域住民の方向けのイベントなどを実施しています。これまでの5年間に100回を超えるイベントを実施し、多くの方から「参加して良かった!」という感想を頂いています。

実感ラボにおける取り組み

「おいしく食べる」
実感ラボでの体験

「おいしく食べる」実感ラボでは、定期的に、地域住民の方を対象にした健康料理教室を行っています。
夏バテを予防することを目的に、食欲の湧かない時でもツルンと食べられて、しっかり栄養も摂れるデザートの教室を開催しました。
当日、高齢男性がエプロン持参で、意気揚々と来院くださいました。この方は、奥様を自宅で介護されている方で、どうしても引きこもりがちになる生活に潤いを与えようと、当院のイベントに参加してくださいました。調理実習の時、持参されたエプロンを着け、参加者を代表して、素敵に盛り付けていただき、参加者からは「拍手喝采!」
歯科診療所が地域住民の方にとって、とても大切な憩いの場になっていること、そしてフレイル予防(心身の機能が低下しないよう食事や生活習慣の見直し)の場になっていることを実感しています。

「おいしく食べる」を学べる施策

「おいしく食べる」を学べる施策

「おいしく食べる」実感ラボでは、当院の管理栄養士が、いろんな活動を行っています。栄養不良や、嚥下障害などといった理由により、医師からの指示に基づいて行う個別の栄養調理指導・地域住民の皆さんを対象とした健康料理教室・地域の専門職の方への研修事など、これまでに累計50回以上の様々な取り組みを行ってきました。
これらの積極的な活動が認められ、2023年には、日本栄養士会の「認定栄養ケアステーション」に認められました。
「認定栄養ケアステーション」は、栄養に関するアドバイスとサポートを通じて、健康状態の改善や疾患の予防に寄与することを目的として、食事による健康管理を強化することを目指しています。歯科診療所に併設されていることは全国的にも非常に珍しく、注目を浴びています。

「おいしく食べる」を伝える登壇

「おいしく食べる」を伝える登壇

「おいしく食べる」実感ラボの管理栄養士である樫野和子は、福山地区の地域活動栄養士会の会長も勤めています。2018年には、タニタが主宰する「ご当地タニタごはんコンテスト」全国大会において、「山の幸・海の幸一杯♥福山生まれの農産物でうずみご膳」で、準グランプリに輝きました。
これは、福山に伝わる郷土料理の「うずみ」の形を活かし,同じく郷土料理の鯛めし、生産量日本一のくわいをコラボレーションし、鯛めしおむすびの中にカリッとした食感のくわいチップを入れ、瀬戸内産のいりこだしでお茶漬け風にした「くわいのうずみ鯛めし茶漬け」をメニューの中心に取り入れたものです。福山産の食材を使い、献立として彩や栄養バランス、味のバランスが良くなるように工夫されていることが高評価を得ました。
普段は、地域活動栄養士会として、福山市内の様々なところに出張講演に出向き地域住民への啓発、また広島県歯科医師会において歯科医療従事者を対象とした講演なども行っています。このように、クリニックの枠を超えて、活動を行っているのが、当院の「おいしく食べる」実感ラボです。

今後の予定

12月:地域住民の方を対象とした健康料理教室「カラダを温めよう」