想像以上の歯周病治療
想像以上の歯周病治療とは
歯周病は、40歳以上の日本人の7割が罹ってしまっていると言われる国民病です。現在、歯を失う原因のトップはむし歯ではなく、歯周病となっています。
歯周病は、歯そのものの病気ではなく、“歯”の“周”りの“病”気です。歯の周りとは、歯肉(歯ぐき)や、歯を支えている骨(歯槽骨)です。この歯肉が腫れたり、歯槽骨が失われてしまい、歯をしっかりと支えられなくなり、歯がグラグラして抜け落ちてしまう病気が歯周病です。
歯の周りの組織に病気が起こってしまう原因としては、いくつかのものが挙げられます。
その中でも特に、細菌が大きな原因となっています。歯の周りにこびりついた細菌は、唾液中のカルシウムを取り込んで石灰化し、歯石となります。この細菌いっぱいの歯石から、細菌由来の毒(内毒素・エンドトキシン)が放出され、歯ぐきに炎症が起こってしまうのです。これらを防ぐには歯の周りにこびりついた歯石を、除去する必要があります。またそれだけでなく、そもそも細菌がこびりつかないようにするための、セルフケア(ブラッシング)、歯周病菌の活動を加勢してしまうタバコ、生活習慣の改善など、患者さんと歯科衛生士の二人三脚による取り組みもとても大切になります。
当院では、単に歯石除去を行うだけではなく、担当の歯科衛生士とマンツーマンでしっかりと歯周病に向き合って行ける体制を作り、まるでジムのパーソナルトレーナーのような役割を果たすことで、真摯に歯周病の克服に取り組んでいます。
歯周病治療の特徴
歯周病治療の成果が出るか否かは、いかに患者さんと歯科衛生士が手を携えて、共に治癒に向けて進んでいけるかにかかっています。
またそれに加えて、歯周病が重度の場合には、歯周病に対する手術を行うこともあります。
当院では、歯周病の最初の診断から、中間評価、手術の実施などのポイント毎に、日本歯周病学会の認定医資格を所持する歯科医師が携わらせていただきます。また歯科衛生士についても、日本歯周病学会の認定歯科衛生士が在籍しており、治療成績の向上と良好な状態の維持に力を発揮しています。
想像以上の歯周病治療の流れ
01視診・口腔内写真撮影
歯科医師による診察に加えて、口腔内写真撮影専用の一眼レフカメラを用いて口腔内規格撮影を実施します。
正面や側方面観など、全部で13枚を撮影します。
02エックス線診断
X線デンタル10枚法撮影を行います。
歯周病によって、歯を支えている歯槽骨がどれくらい吸収しているかを細かく調べます。
03歯周ポケット検査
歯周病に罹患すると、歯と歯を支えている骨(歯槽骨)との間に、隙間(ポケット)ができます。このポケットが深くなるほど、歯周病が進行していると言えます。
歯周ポケット検査では、この歯周ポケットの深さを専用のメモリが付いた探針で測定します。またその際の出血の有無や歯の動揺度なども併せて検査します。
04細菌検査
歯周病が既に悪化し、歯周ポケットから膿が漏れ出ている場合には、この膿を採取して検査センターにて培養し、細菌の同定を行います。
また、どの種類の抗菌薬が効果的であるかを調べる抗菌薬感受性試験も併せて実施します。
05セルフケア(ブラッシング)
歯周病のそもそもの原因は、歯の周りに細菌がこびり付いていることです。せっかく治療を行ったとしても、毎日のブラッシングがうまく出来ていない場合は直ぐに新たな細菌がこびり付いてしまい、せっかく治療を行ったとしても、元の木阿弥になってしまいます。
そのため、ご自身で毎日、確実なブラッシングができるようになっていただくことが歯周病治療の第一歩となります。
06歯周基本治療
歯の周りにこびり付いている、歯石を丁寧に取り除きます。その際には、スケーラーやキュレットと呼ばれる細かい器具を使用するため、痛みが出ることがあります。
その際は、患者様と相談し、局所麻酔を行うことで無痛での治療ができるようにします。また噛み合わせ(咬合)調整を行い、歯への負担を減らすことも同時に行っていきます。
07歯周外科手術
歯周基本治療では取り切れなかった歯周ポケットの奥深くの歯石を、外科手術で除去したり薬剤を注入することで組織の再生を図ること(再生療法)を行います。執刀にあたっては、日本歯周病学会の認定医資格を持つ歯科医師が主体となり、手術を実施します。
08歯周病安定期治療
上記の歯周病の治療を行い、その効果を確かめる検査を行い概ね治癒したと認められた際には、歯周病安定期治療に移行します。歯周病は常に再発のリスクとの戦いでもありますので、担当の歯科衛生士と二人三脚で、安定した状態を維持できるよう継続的にケアをさせて頂きます。
実施風景
歯周病の治療やメンテナンスは、すべてプライバシーが確保された個室診療室で行われます。
歯周ポケットの奥深くにある歯石を除去する際は、どうしても痛みが出るため局所麻酔を行い、確実な無痛医療を目指しています。
また、治療やメンテナンスの前には歯科衛生士によるカウンセリングを行い、しっかりコミュニケーションを図りながら二人三脚での歯周病治療が進んでいきます。